漆喰を使ったお家の工事の様子
こんにちは、監督の松本です。
今回は現在新築工事中のお家が外壁に漆喰を採用されましたので、ご紹介します。
外壁に自社がおすすめしている漆喰を塗っています。その中でも【フレスコ】というものは漆喰の純度が高い商品です。なので、ちょっと塗るのが難しいんです。
漆喰とは
漆喰とは、昔は学校のグラウンドにラインを引くために使っていた「消石灰」が元となっています。
空気中の二酸化炭素を反応することで固まる性質があります。その消石灰とスサという細かくした繊維と糊が混ぜられて作られています。(スサは亀裂を防ぐ役割があります。)
漆喰が外壁に良い理由
漆喰は昔から姫路城などのお城や蔵などにも使われていたように強度があり丈夫です。また、汚れにくい性質でもあり、古びていくさまも味が出てきます。弊社ではニルバクリーンという商品を漆喰の外壁に塗布することがあります。その場合、緑色にコケが生えるのを抑制するので、メンテナンスもあまり行うことなくきれいさを保ちます。
今回の漆喰は純度が高く固まるのが早いため、左官作業が難しいとされています。左官屋さんは「この材料は癖があるなぁ」といつも言っています。
漆喰の塗装の様子
サイディングとはまた違う風合いが漆喰にはあります。塗り壁には長い工程があり今からその様子をご紹介します。
①下塗り
スマホで取った画像ですが、表面のざらつきがよくわかると思います。このままでは見た目がよくありません。
②メッシュ貼り
一度塗った上からメッシュを貼り、その上に再び塗装を繰り返します。
③上塗り
下塗り、メッシュ貼りを終えると上塗りに入り、今回の仕上げは金鏝仕上げをしています。
1回目の押さえでは穴が目立ちます。回数を増やすことで穴が減り、見た目もきれいな仕上がりになります。基本は3回の押さえをしますが、材料の乾き具合によって5回6回と抑えることもあります。
このお家は破風も無垢材、軒天も焼杉を貼っていていい雰囲気です。
今回のこのお家は「金鏝仕上げ」で仕上げましたが他にもいろいろな模様を付けたりもできます。このお家のように軒を出すと漆喰壁も汚れにくくなるので、外壁に漆喰を使う場合は軒を大きく出す外観が良いでしょう。
階段の現し
いつもは階段の下側は天井や壁のボードで隠されていますが、今回は見せる施工をしています。本来ならこのような場合、階段の部材は前面化粧材を使ったり。桁を入れたりと階段の形状が変わるため材料費も施工費もぐっと上がります。
今回は、施工費は上がりましたが、材料費はいつもと一緒です。側板などの裏側には若干のキズなどもありますが、お施主様もそれもいい感じだと喜んでくれました。
注意点
2枚目の写真のように1階部分であれば何も問題はありません。ですが1つ注意していただきたいのが、小さなお子様がいるご家庭では注意しなければなりません。見ていただいてわかるように2階の階段下が抜けているため落下の恐れがあります。
上記の写真のような落下防止ネットが販売されています。お子様がいるご家庭ではこういったものを利用するとアスレチック感のある家になるでしょう。
さいごに
漆喰の外壁や階段の現しをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?家づくりの参考になればと思い書かせていただきました。
このお家の見学会は終了しました。ご来場いただいた方は誠にありがとうございました。室内もたくさんの構造材が見えたお家で、玄関を入ったときからびっくりされるお客様が多くおられた印象です。
構造の木の骨組みをほとんど見せた家は弊社でもはじめてです。そのなかに洗練されたデザインを用いることで、遊び心のある家になったと思います。皆様の家づくりも素敵なものになりますようお祈り申し上げます。
さいごまでご覧いただきありがとうございました。