本当はこわい壁の中の結露の話

結露はだれでもいやな物ですが、いたるところで起こります。なので、携帯や時計など精密機械を含めあらゆる物に防露対策が講じられています。

ここでは住宅の結露について考えてみたいと思います。          引用 南雄三著 「断熱・気密のすべて」より

神戸の工務店 スタッフブログ 結露の写真

結露のメカニズム

水は熱で変化する

結露というのは文字どおり「露を結ぶ」ということですね。空気中の水蒸気がたくさん集まって水滴まで大きくなったものです。水蒸気はガス(気体)状ですが、冷やされて結露すると液体になります。この液体はまた暖められて水蒸気になって・・・。そしてどんどん冷やされると今度は氷になってしまいます。氷になれば固体ですよね。こうして水というのは気体・液体・固体に変化しますが、変化させているのが熱エネルギーです。

神戸の工務店スタッフブログ 結露のメカニズム説明画像1

空から地上に雨が降ってきますが、雨は台地に湿り気を与えて地下水となり、川を下って海に注ぎます。一方的に雨が降っていたのでは地球上は水で溢れてしまいますが、水は地上や海から蒸発して空に昇り、上空で冷やされて結露して雲をつくり、さらに水滴が大きくなると重くなって落ちてきます。これが雨になるのです。ですから、雨や雲も結露の現象のひとつなのです。 地球には太陽熱が降り注いていますが、太陽熱を一方的に受け取ってばかりいれば地球は灼熱の星になってしまいます。ところが太陽熱で地上の水分が蒸発して、空まで昇って結露するときにその熱を捨ててくるのです。これによって地球は平均15℃を保っているわけです。

このように水の循環は地球と大気との間の熱交換を果たす重要な役割を持っています。でも家の中で発生する水の動きは、循環する状態にはなくて、どんどん結露して対象物をビショビショにし、それが乾く間にカビが繁殖し、そのカビを目当てにダニが寄ってきたり、木材腐朽菌が繁殖して木材をボソボソにしてしまいます。またそこにシロアリがやってくれば勢いよく食害されてしまいます。家の中で発生する結露はとても面倒で、不健康なものなのです。

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空気がもてる水の量

空気の中には水蒸気が含まれています。含まれる水蒸気の量は温度によって違ってきます。温度が高くなるほど水蒸気をたくさん含めるようになります。たとえば20℃の空気は17.3gの水蒸気をもつことができますが、1℃の空気は9.4g、0℃の空気は4.85gの水蒸気しかもつことができません。 今、20℃の空気があるとして、水蒸気は持てる量の半分(8.65g)だとします。この状態を「相対湿度50%」と呼びます。私たちがいつも「湿度△△%」と呼んでいるのはこの相対湿度のことです。これに対して空気中に実際に入っている水蒸気の「量」を絶対湿度といいます。単位はg/㎥。つまり1㎥の空気の中にどれだけの重さの水蒸気が入っているかを示します。

神戸の工務店のスタッフブログ 結露のメカニズム説明画像3

今、20℃・50%の空気が何かの理由で急に冷やされたとします。すると空気がもてる水蒸気の量は小さくなり、ついに水蒸気が一杯になった状態を飽和状態と呼びます。相対湿度はもちろん100%です。また空気が冷やされて飽和状態になったときの温度を露点温度と呼びます。20℃・50%の空気は8.7℃まで冷やされると飽和状態になります。つまり露点温度は8.7℃です。

この空気がさらに冷やされると水蒸気を持ちきれなくなって外に出てしまいます。これが結露の始まりです。

空気線図

さて、空気と水蒸気の関係は下に挙げた「空気線図」を見ればよくわかります。この空気線図から、空気の温度の変化によって含み得る水蒸気量(絶対湿度)、露点温度、さらには空気が持っている熱量まで読むことができます。

横軸には温度が、縦軸には絶対湿度が示されます。たくさんの右上がりの放物線が見えますが、これが相対湿度を示す線です。一番外側(左上)側の線が相対湿度100%、つまり飽和状態になります。では少し実習してみましょう。温度20℃・相対湿度60%の空気を図中のA点とすると、A点を右へ平行移動してB点を読むと絶対湿度が8.8g/㎥と読めます。次に左へ平行移動します。つまり空気を冷やしていきます。C点で飽和状態(相対湿度100%)に達します。これ以上冷やせば飽和線を越えてしまいますから、結露が始まります。                                                このC点から垂線を下すと温度が読めます。(D点)。これが露点温度ということになります。約12℃と読めます。つまり20℃・相対湿度60%の空気は約12℃が露点温度になり、さらに冷やされると結露が始まるということです。このように空気線図をよむことで、空気が結露する様子を知ることができます。

結露の説明図

日本の家は結露発生器状態?

結露を防ぐ2つの原則

結露が起こる原理がわかったところで、次に結露を防ぐ方法を考えてみましょう。結露を防ぐには以下の2つの方法があります。

1つは空気を冷やさないことです。冷えなければ空気は小さくならないのですから絶対に結露しません。

もう1つは含んでいる水蒸気の量を少なくすることです。空気の中に入っている水蒸気が少なければ、その空気は冷やされても冷やされても結露するところまで至りません。この状況は絶対にとはいえませんが、結露しにくい状態といえます。

神戸の工務店のスタッフブログ|カビの画像

欧米では前者の冷やさない方法を採ってきましたが、日本では後者の空気中の水蒸気を減らす方法を採ってきました。なぜかというと日本の家は寒いので、冷やさないというわけにいかなかったからです。なので隙間風が出入りして水蒸気を飛ばすくらいのほうが安全だといわれてきたのです。しかし、この日本的な結露対策は残念ながらよい結果を生みませんでした。そのために家の中にカビ・ダニを繁殖させるような結果になったのです。

神戸の工務店のスタッフブログ|ダニの画像

表面結露と内部結露

結露には表面結露と内部結露2つの結露があって、それぞれ違った性格をもちます。表面結露というのは文字どおり、内装表面に起こる結露のことです。一般的に私たちが結露と呼ぶのは窓に起こる結露に代表する表面に起こる結露のことです。また、内部結露というのは壁の内部や天井裏、床下など見えない部分で起こる結露のことで、見えないのでいつの間にか壁の中を腐らせたり、シロアリを招いたりするとても危険なものです。

まずは表面結露について解説していこうと思います。

押入とタンスの裏側は結露しやすい

ひと昔前のハウスメーカーの鉄骨プレハブ住宅などでは押入の中やタンスの裏側がビショビショになったり、お風呂の天井がカビだらけという現象がよくみられました。これは鉄骨が熱伝導率が高く、熱を伝えやすいことや気密をとりにくいことによるものと考えられます。ではなぜ押入やタンスの裏側に結露するのでしょうか。

押入は襖で仕切られ、中には布団が詰まっています。襖や布団が断熱材となって、室内の熱が押入の奥に回らないように働いています。タンスも同じです。タンス自体が断熱材になって、室内の熱を壁の奥まで伝わらないようにしているのです。

このため、押入の奥やタンスの裏側は冷えやすくなっており、そこに水蒸気が回り込めば結露が発生しやすくなります。水蒸気というのはとても小さなもので、圧力差でどこまでも飛んでいきますから、熱が回らない部分でも回り込んでしまうのです。

神戸の工務店のスタッフブログ|結露の説明画像

アウトドア川の衣服で「ゴアテックス®というものがあります。ゴアテックスは空気は通さないけれど水蒸気は通します。したがって、ピニールのように蒸れることがありません。水蒸気が通れる無数の微細な穴が開いているのですが、その穴はあまりに小さいので空気は通れません。

木の板に口をつけて息を吹きかけると息は跳ね返ってきますが、水蒸気は板の中まで透過します。ビニールクロスの下地に使われている石膏ボードも同じように中まで透過します。それほど水蒸気は小さくて、どこまでも回り込んでしまうと思わなければなりませんし、ガラスや金属以外は透過してしまうと考えなければいけません。

神戸の工務店のスタッフブログ|結露の説明画像

個別・間欠暖房

押入やタンスの裏側が冷えるのは理解できました。家の中には同じように熱が回らないで冷え込んでいる部分があります。それが非暖房室です。日本の家は特定の部屋だけ暖房して他の部屋は寒いままが当たり前になっています。これを個別暖房といいます。今でこそ全館空調などということば聞かれるようになりましたが、かつては日本人はこの状態に何の疑いももっていませんでした。しかし欧米の家の中を見れば、この常識が日本だけのものだったと知ることができます。欧米では家の中すべてが暖かいのです。さらに、日本の楊合は家を留守にするときには暖房を消して出かけます。これを間欠暖房といいます。

神戸の工務店のスタッフブログ|結露の説明画像

非暖房室の結露

個別暖房で暖房している部屋の水蒸気が冷えた非暖房室に流れれば、結露の危険が生じます。最も冷えた部分に集中して結露しますから、まず最初に結露するのは窓ガラスでしょう。暖房している部屋の窓ガラスは結露しないので安心していると、北側の部屋や便所の窓ガラスが激しく結露していたりするのです。

神戸の工務店のスタッフブログ|窓の結露の画像

開放型ストーブから大量の水が発生

日本で一般的に使われている暖房器といえば石袖やガスを燃料としたストープまたはファンヒーターです。このストーブは室内の酸素を燃やして、燃焼ガスを室内に吹き出すので開放型スト ー ブと呼ばれています。

開放型ストーブは部屋の中で囲炉裏を燃やしているようなもので、嫌なニオイを出し、炭酸ガスを放出し、窒素酸化物など化学物質も吹き出します。不完全燃焼を起こせばとても危険な一酸化炭素まで発生します。そして、ガスとともに大量の水が吹き出されているのです。

石油を燃やすと炭酸ガスと水が発生します。1 Lの石袖を燃やすと実に1130gの水が発生するのです。このように驚くほど水を吹き出しながら燃えていることを私たちは知る必要があります。石油だけでなく、化石燃料はすべて同じです。水はプロパンガスからも出ますし、都市ガスからはもっと激しく出ます。こんな状態ですから、開放型ストーブは結露を起 こすための最大の要因だといってよいのです。

換気が不足

 開放型ストーブだけでなく、生活していればたくさんの水蒸気が発生します。1日の生活でどれだけ水蒸気が発生するのでしょうか。冬の40坪程度の家の中で4人家族が生活すると1日に6.7kgの水が発生するという試算があります。大変な量です。 この水を除去するのが換気です。では通常の換気をしていればこの水を放出できるのでしょうか。一般に生活上の空気汚染を防ぐために 必要な換気量は0.5回/時とされています。換気の重要性は他の章でお伝えしていますので省きます。

調湿するものがない

家の中で発生した水蒸気は換気によって外に放出されるだけでなく、内装材にも吸収されます。これを吸湿といいます。

昔の家は土壁をもった木造で、天井は木の板で、床には畳が敷かれ、紙の襖、障子が走っていました。素材すべてが吸湿性をもっていました。

 また、吸湿した水分は室内が乾燥してくれば放出(放湿)します。

吸湿して放湿することを調湿といいます。土壁は厚みがたっぷりとあったので、たとえその部分で結露しても水を吸い込んで表面が濡れるようなことはありませんでした。昔の建材はその調湿性で結露を防ぐ力をもっていたのです。

しかし、今日の家は石膏ボードの上にビニールクロスを貼ったり、床も新建材のフローリングになったために、水を含むことができず、結露してしまえばすぐにビショビショに濡れてしまいます。

そのため、最近では調湿する内装材の開発が目立って増えてきました。珪藻土もそうですし、類似の塗り壁材、それらの素材をタイルにしたもの、壁紙にしたものなど、いろいろあります。

神戸の工務店のスタッフブログ|珪藻土の画像

ただ、調湿するから結露は起こらないと言い切ることはできません。吸湿して水を含んだまま乾燥することができない状態が続けば、やはりカビが繁殖します。拙宅での経験では、珪藻土を塗った収納でカビが繁殖しました。空気抜けができない状態だったからですが、換気をするようになってからはなくなりました。

調湿する材料が結露してカビが生えると、表面だけでなく中まで根を張りますから、カビを殺すことが難しくなります。調湿する材料はカビを防ぐが、カビが生えてしまうと陰湿な状態になるといわれるのはこのためです。

古本をめくるとプーンとカビのニオイがするのでもわかるように、紙もカビるし、木材もカビるのです。

したがって、調湿材で結露を防ぐと考えるのではなくて、瞬間的に 結露する条件になった場合に吸湿してくれる安全策として捉えることが肝心です。

日本の家は結露して当たり前

以上述べてきたように、断熱・気密性に無頓着な日本の家は暖房にも無頓着で、個別暖房で間欠連転を当たり前にしてきました。そして、有害なガスとともに水を大気に吹き出す開放型ストーブを燃やして不安になることもありません。

また、隙間だらけだった日本の家も今では気密性が高まり、機械的な換気が必要になっているのに、隙間風で十分と思い込んで換気しようとしません。内装材も昔は調湿性のある自然の材でつくられていましたが、今では新建材に変わって、調湿する力を失いました。

こんな状況の日本の家は結露して当たり前。というより、結露させるように生活しているようなもの。現代の日本の家はいろんな意味で結露発生器の状態なのです。

表面結露を防ぐ

日本の住宅は結露発生器状態だったわけですが、表面結露が発生しないようにするには新築時どのようなことに注意して設計すればよいでしょうか?

  • 家の中に冷えた部分をつくらない。
  • 換気して生活上で発生する水蒸気を放出する。
  • 過度な水蒸気を発生させない。
  • 調湿性のある内装材をもつ。

①では、断熱・気密を充実させて、家全体に熱を配ることが対策とります。小さな熱で全室暖房です。

②では、空気汚染を防ぐための換気をしていれば十分なので、特別に結露に対応した換気を考える必要はありません。

③では、開放型の暖房機を使わないこと。水蒸気が一時的に大量に発生する場合は局時的な換気で対応することが対策となります。

④では、室内空気汚染防止も考慮して、できるだけ自然材を内装に用いることが対策となります。

カビとは何か

カビは正式には「真菌」と呼びます。一般に病気を招く菌を「黴菌」と呼びますが、徽はカビのことです。カビは胞子と菌糸からできており、

胞子が空気中を浮遊して広がり、異常増殖します。

地球上にはおよそ7万種のカビが存在するといわれますが、日本の建物の中から検出されているカビは200~300種といわれます。

カビが生育するためには温度、水分、栄養、酸素が必要で、好む環境は温度15~28℃、湿度70~95%といわれますが、湿気さえあれば南極でも発生するし、アルミやレンズにも繁殖し、プラスチックは大好物です。

室内ではコンクリートが自由水を生じるまで水を含んだ場合や、建材の表面に結露を生じ、建材が結露を含水して自由水になっている場合、

浴室のタイルの目地に水が残り、目地の含水率が高まって自由水をもつような状態でカビが発生します。

木材は含水が繊維飽和点を超えると自由水が存在するようになりますが、夏でも空気に晒されている木材は繊維飽和点には達しないのでカビは繁殖しません。

しかし、結露や雨漏りによって含水率が高まればカビが繁殖する条件をつくってしまいます。

カビは鼻炎や喘息などアレルギー疾患の要因になるだけでなく、カビ毒による中毒や、白癬(水虫)、そして皮膚や呼吸から体内に侵入したカビが

感染症を起こすことがあります。

アレルギー疾患の罹患率が増加しており、1991年に厚生省が実施した調査では、アレルギーの症状を訴える人は3人に1人という高率になっています。

神戸の工務店のスタッフブロ|カビの画像

ダニとは何か

家庭内に存在するダニには、アレルギーの原因になるヒョウヒダニと人を刺すツメダニ、食品を汚染するコナダニなどがあります。

また、家の中に迷い込むダニには疥癬症を起こすヒゼンダニやネズミに寄生するイエダニなどがあります。

ダニは塵、カビ、フケ、食物の屑などを餌にして繁殖し、室内で見られるダニは高温多湿を好み、チリダニは25~28℃、湿度65~90%で

よく繁殖します。

日本の一般住宅の塵中に含まれているダニの数は1950~60年には500匹以下でしたが、80 ~90年には約1600匹と30年の間に3倍以上にも増えた

といわれています。

チリダニ科に属するヒョウヒダニの生体や死骸、糞を吸い込むとアレルギー性鼻炎や喘息を起こします。

グラフは喘息患者のアレルゲンの割合を調査したデータですが、室内塵(ハウスダスト)が49.l%とダントツで多い。

このハウスダストのほとんどがヒョウヒダニの生体や死骸、糞とされています。また、カンジダ、アスペルギルスはカビで、これを加えると、

ダニとカビで喘息アレルゲンの約7割を占めることになります。

ダニはカビのニオイに引き寄せられ、カビを食べて繁殖します。すべてのダニがカビを食べて増えるわけではありませんが、

カビとダニがともに生育すると大繁殖につながることが多いのです。

神戸の工務店のスタッフブログ|ダニのイラスト



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