映画を見て
今、BS放送でクリント・イーストウッドの映画を放送しています。彼の出演や監督した全ての映画を見たわけではありませんが、昔、たしかローハイドという題名だったように記憶していますが、テレビ放送していたその西部劇にロディという名前で出ていた頃から彼のファンです。その後、”夕陽のガンマン”や”荒野の用心棒”などのマカロニウェスタン、刑事ものダーティハリーなどは皆さんも良くご存知と思います。おかしなもので、好きな俳優が出て来る映画は何回見ても退屈しません。昨日もダーティハリー3を見て、気持ちよく眠りに付くことが出来ました。あと、亡くなったスティーブ・マックイーン、やチャールズ・ブロンソンとかスティーブン・セガール、シルベスター・スタローンが好きです。日本の俳優では高倉健が好きです。好きな小説は時代物、それも剣豪ものが好きで、特に大好きなのが笹沢左保の”木枯らし紋次郎”です。
何か共通点があると思いませんか。自分でも嗜好が偏っていると思います。
妻はもう何年も前から韓国ドラマにはまっています。私もイ・ヨンエの”チャングムの誓い”だけは大好きで再放送、再々放送まで見ていましたが、妻は義姉の録画した韓国ドラマをほぼ毎日再生して見ています。私も時々付き合って見ていますが、どうものめりこむほどの熱意で見ることが出来ません。理由は色々ありますが、一番気になるというか気に入らないのが、出演者が怒鳴ったり、わめいたりするシーンがあまりにも頻繁すぎるという所です。私は人が人を攻め立てたり、人に大声で自分の正当性を主張したり、自分の悲運を嘆いたり、権威をひけらかしたりすることを恥ずべきことと考えますし、そう感じもします。ですので、いかにドラマといえども、それこそ5分に1回くらいの割合で、そんなシーンが出てきますと、どうしてもイヤーナ感じが湧いてきます。そのことを妻に言うと妻は「なに言ってんのよ!お父さんこそ、バキューン、バババ、ドカーン、バチッ、ブスッ、ズバァ—-てそんな音ばっかりの映画見て、私はそんなの見たくもないし、聞きたくもないわ!いつも辛抱してるのよ!」確かにそうです。ダーティハリーはマグナム44(大き目の拳銃)を派手にぶっ放し、マックイーンはショットガンを撃ちまくっていました。さっき言ったことと矛盾するようですが、確かに私はそういうシーンが好きです。悪いやつらがハリーに殴られたり、撃たれたり、紋次郎に斬られたりするとスカッとします。しかもハリーも紋次郎も高倉健さんも決して言い訳をしません。多くを語りません。なんてかっこいいんでしょう。本当に正義の味方ですよね。ですから厳密に言うと矛盾ではありません。
どうやら、人は映像の中に自分とまったく正反対の人格に憧れ、その人に成りきるという性向があるのかもしれませんね。妻が人を攻めたり、人にわめいたり、人に権威を振りかざしている姿を見たことがありませんし、想像もつきません。また私が何の言い訳もせず、ただ黙ってひたすら行動するなんてこともありません。だから、ハリーに、建さんに、紋次郎に憧れるのでしょう。妻は、韓流女優がわめいているのを見て、きっとスカッとしていることでしょう。
もう数日で27年目の結婚記念日がきます。妻とは好きなドラマも映画も俳優もスポーツも趣味も性格も大きく違いますが、最近、価値感だけはなんとなく近寄ってきたような気がします。記念日は二人の唯一の合致点である外食で、美味しいものを食べに行きます。