~原因と結果~
この講の2012年10月号でご紹介しましたジェームス・アレンの著書「原因と結果の法則」の言葉は、私のこの講で度々登場しています。それだけ、これらの言葉は絶対の真理として、もう一つの「人間は生まれ変わる」説とともに、私の精神の大半を覆い尽くしています。そして今、私は小さいながらも会社経営者の立場ですが、私の経営理念や経営戦略は、全てこの二つの論理から派生したものとなっています。ただし、実際にその通り実践できているかどうかは、はなはだ疑問ですが。というより、実践できていないと言ったほうが当を得ているかもしれません。 ところでジャームス・アレンの「原因と結果の法則」については、もう、お忘れの方も、また初めての方もいらっしゃると思いますから、少しだけ私の解釈を記しておきます。
非常にシンプルでわかりやすい考え方、論理です。つまり、私たちがこれまで考えてきたこと、行ってきたことが「原因」となり、「結果」として私たちの今の環境が出来上がっている。だから良い環境(成功、心の平安、健康….)を得たいのであれば、原因となる心の状態や行いを、良い方向にもっていき、それを実行すれば、必ず絶対にそれを実現できる。なぜならそれは宇宙の法則だからです。という論理です。なにか仏教でいう因果応報とそっくりですね。でも大きな違いを私は著書から感じています。因果応報は善い行いが、良い結果を招き、悪い行いが悪い結果をもたらす、というふうに、行動にその重きを置いているように思います。それに対し、ジェームス・アレンも、もちろんそのことは述べていますが、それよりも、何よりも、実はその人の心の状態こそが、必ず、その心の通りの結果をもたらす、ということを最重視しているように思います。私もその通りであると確信しています。
でも学者でもない私の単純な解釈に、それはおかしい、間違っていると言われる方も、大勢いらっしゃることと思います。浅学の私に教えてやろうと思われた方には、是非ご教示をお願いします。しかしながら、双方いずれにしても良い心、良い行いが、良い結果をつくるという誠に単純でシンプルなことを教えている、ということは間違いないように思います。そして、このことは、小さな子供でも知っているという事実があります。まして大人で知らない人はまずあり得ません。でも知っていることと、やっていることには大きな違いがあります。大事なことは、それを信じ、実践しているかどうか、また実践していなくとも、そうありたいと願っているかどうか、ではないかと思います。
幸福のかたちは人によって違いはあれど、幸福を願わない人間はいません。しかし、自分の幸せをただ祈っているだけで、幸せを叶えることはできません。幸福を得るためには自分自身を改善しなければならない必要があるのです。自分が他に対して、攻撃したり、非難したり、責任転嫁したり、支配しようとすることは、もちろんいけませんが、他から攻撃、非難、中傷、侮辱、責任転嫁されたり、嘘いつわりを言われたり、また支配されようとしたりしても、少しも動じることなく、常に、冷静かつ、おだやかな心で自分をコントロールし、それらの他に対し、やさしく接することが出来るように改善すれば、絶対に幸せを手にすることが出来ます。 なぜなら、それが宇宙の法則だからです。