思い通りにならない

セレクトホームの定休日はお正月休みを0日とすれば年間75日です。そこで社員にお正月くらいはゆっくりさせてあげたいと考え、毎年年末年始には休みを9日間とっています。私もこの休みを楽しみにしています。この年末年始もいつもの湯村温泉に行き、あとは家で散歩と読書とお酒の毎日でした。

散歩と読書は良しとしても、お酒が余り良くないのは十分に承知しています。何に良くないかといえば、私の場合はずばり体重増加です。結局、気にしながらも9日間で3キロ増えて、とうとう75kgまでいってしまいました。(健康診断の時には68kgまで落とすようにいつも言われています)そして、言ってはいけないことを又々言ってしまいました。「お母さん(妻のこと)が美味しいおかずをたくさん作り過ぎるから、お酒がはずんで太ってしまうんや、それに日ハムの斉藤祐樹君も175cm、75kgや」これは明白な責任転嫁で、筋違いも甚だしい発言でした。妻は開いた口がふさがらないという顔で何も言いませんでしたが、明らかに不機嫌でした。

 人は思い通りにならない時、往々にして他人のせいにして自分は悪くないと思いがちです。1月11日の神戸新聞朝刊の一面は全国高校サッカー大会で兵庫の滝川第二高校が初優勝した記事でした。以下に少し長いですが一部を転記します。

“抱き合って喜ぶ滝川第二イレブンを、栫(かこい)監督は涙を浮かべて見つめていた。「とにかくすごい。苦しいこともあったと思う。よく頑張った」何度もぶつかった指揮官とメンバーが、志を一つにして頂点にたどりついた。兵庫県予選の開幕を目前に控えた昨年の10月中旬、栫監督は選手たちに「勝手にしろ」と言い放ちグラウンドを去った。その頃の滝川第二はとても優勝を狙えるようなチーム状態ではなかった。練習中ミスが出れば「お前のせいや」と選手同士で責任を押し付け合い「まだ終わらんの」とコーチ陣に公然と不満を漏らす。自分勝手なプレーに走り、まとまりを欠いていた。そんな選手たちを栫監督は「無理やりやらせても心に響かない。自分たちで悪いところに気付いてほしかった」と突き放す。翌日も、その次の日も練習に姿を見せなかった。「本気で辞めるつもりだった」と指揮官。その思いに気付いた選手たちは緊急ミーティングを開き、とことん話し合った。そして1週間後。「もう一度お願いします」と全員で監督に頭を下げた。——————————————–“

この講で何度も書いたことがあります飯田先生の「思い通りにならないことこそが、この世で最も価値あることである。そして思い通りにならない時にいかに対応するかが人間の価値(成長の度合い)を決める」という言葉は自分のなかで信念として根付いているつもりです。飯田先生は思い通りにならない時には、良心的で前向きで愛のある対応をしなさい。そうすれば人生はどんどんと良い方向に流れていく。反対に

良心的でなく、後ろ向きで、愛のない対応をしていけばどんどんと悪い方向に行ってしまう。と説いておられます。私もこれを信じています。にもかかわらず、上述のようにうまくいかないことを、妻のせいにしてしまうのです。まだまだ未熟で、成長過程ということでお許しを頂きたいと思います。心から反省しています。

 滝川第二の選手たちもミスを「お前のせいや」と責任転嫁していたことに気付いたのでしょう。思い通りにならいことの原因が全て他にあるということは決してありません。かなりの忍耐を要しますが、全て自分の責任なのだととらえるほうがすっきりすると思います。何か思い通りにならないことが起こった時、それに関係した人すべてが原因は自分にあると謙虚にとらえ、他のせいにしなければ物事は必ず好転すると思います。もっと言えば(スピリチャルな考え方で否定される方も多いと思いますが)思い通りにならないことは実は生まれる前に自分で予め計画しておいたことか、あるいは神様が与えてくださったかのどちらかであるとも言えます。ですから、思い通りにならないことは成長するために必ず必要でなことで、とても順調なことだと考えています。繰り返しますが、思い通りにならない時、他のせいにして自分は間違っていないなどと考え行動すれば、残念ながら貴方には次々と悪いことが起きると考えましょう。それに、自分は悪くない、全部あの人のせいだ、などと無理やり思い込み続け自分を正当化することって、自身の心の中に何か後ろめたいような罪悪感みたいなものがずうっと残るのが人間ではないでしょうか。それなら、まだすべて自分のせいだと考え、問題解決のため価値のないプライドなど捨てて、良心的に愛を持って前向きに行動するほうがよほど心の平安を感じることが出来ると思います。

 以上のこと言葉や文字にして言うのは簡単です。それは行動で示さなければ意味がありません。でも、実行していくのは大変なことです。場合によっては怒りや嫌悪や怠惰の感情に負けてしまうこともあるかもしれません。そんな時は謙虚に反省し、その相手に素直にごめんなさいと謝罪しましょう。必ず良いことが起こります。そして一日一日少しずつ、少しずつでいいですから成長していきましょう。

(追伸)

 1月8日、我家の愛犬アリスが急におかしくなりました。私が夜の8時半頃帰宅すると、いつものところにアリスがいないので、寒いから妻が家の中に入れたのかな思い、見てみましたがいません。犬小屋にもいませんでした。よく見ると玄関アプローチのタイル横の土の上に、大量のドッグフードを吐いた跡を見つけました。アリス、アリスと呼ぶと家の奥で動くのが見えました。うずくまっていたのでしょう。よろよろっと起き上がったかとおもうと、すてんと前足から崩れてしまいました。よろよろしてまともに真っすぐ歩けないのです。その日は家の中に入れて様子をみました。アリスはひょっとしたら死ぬのではと考えました。次の日の朝も様子は変わりません。やむを得ず日曜日でしたが動物病院の先生の携帯に電話しました。先生があとからお電話を下さいました。夜でしたが今から連れて来て下さいとのことで、すぐに連れて行き、脳梗塞らしいということが分かりました。最初は毒でも盛られたのではと考えましたが脳梗塞と聞いて変な言い方ですが少しホッとしました。先生は休診日の夜にもかかわらず懸命に治療して下さいました。お陰で今は、頭が少しだけ右に傾いているのと、時々ですがカクンと前触れなく転ぶことがありますが、元気に散歩をしガツガツと食べています。最初の3日間は飲まず食わずだっただけにかなり良くなったと喜んでいます。今考えますともし、アリスがいなかったら一切運動せず、私の体重は75kgどころではなかったかもしれません。私のほうこそ脳梗塞になっていたかもしれません。本当に感謝しています。神様、先生、アリスありがとうございました。