~自然素材(1)~

住宅は今、自然素材ブームとなっています。私のような古い人間には、いささか奇異に感じないこともありません。なぜなら私の子供時代は、家はほとんど自然素材で出来ていましたから。石油からできた新建材など全くありませんでした。もっとも、自然素材の定義はあいまいで、現在では主に床、壁、天井、外壁の仕上材に無垢に木や珪藻土や漆喰などを使うことを意味しているように思います。そこで今回は内装に使う珪藻土と漆喰のことを少し記します。
漆喰、珪藻土ともネット上で多くの商品が販売されています。是は是で素晴らしいことです。ユーザー自らがコテを使って施工できるからです。もちろん仕上がりはプロには遠く及びませんが、そんなことはたいしたことではありません。自分たちで施工したものには、愛着がわきます。家族みんなで協力してやれば家族の絆がより一層強いものとなるでしょう。
内装に使う珪藻土の最大の魅力はその調湿機能です。漆喰にはほとんどその効果はありません。ネットや書籍で漆喰の調湿機能をうたうものがありますが、はっきり言って間違いです。昔は土壁の上に漆喰を塗っていたので、その土壁が調湿していたのであって、漆喰が調湿したのではありません。実験をすれば漆喰壁も㎡当たり50~60ccの調湿が見られますが、これはその下地となっている石膏ボードの調湿性能の効果で、何度も言いますが、漆喰には調湿機能はありません。珪藻土の調湿性能もまちまちです。施工性と仕上げの良さを追求した珪藻土には樹脂成分が含まれています。当然、調湿機能は落ちます。
珪藻土は100%自然素材で構成されたものがお勧めです。施工性は悪く、仕上げも思うようになりません。でもそんなことは二の次です。自然素材を使う理由は仕上がりの良さではなく、その能力(健康への)と素材そのものの美しさです。また調湿機能に優れた珪藻土は消臭機能もあります。VOC(揮発性有機化合物)も吸引して閉じこめます。(100%ではありません)本当にすぐれものです。
 しかし、皆さん勘違いをしてはいけません。ネット上の広告などを見ていますと、珪藻土を塗ったら、途端に部屋中が高原のような爽やかさに包まれるようなことを書いているものを見ます。はっきり言って超オーバートークです。珪藻土にいかに調湿性能が備わっていようとも、蒸し暑い夏の空気が家の中にどんどん侵入してくれば、室内の空気が高原のように爽やかになることはありません。一定以上の気密性能が家に備わっていることが絶対必要条件となります。珪藻土と言えども、蓄えられる水分には限界があります。このことをよく理解して下さい。それと、珪藻土と言ってもその調湿性能はピンきりです。私は稚内珪藻土をお勧めしています。ナテユールという商品です。一般的な珪藻土の3倍~4倍の調湿機能があります。気密性能が備わっていれば、室内湿度を50%前後に保ってくれます。結露防止にもつながりカビ、ダニの発生を抑え、アレルギー疾患抑制に有効となるでしょう
 こんな素晴らしい珪藻土ですがこれは室内専用素材です。外部に使うのはやはり漆喰です。
先ほど漆喰には調湿機能はないと記しました。その代わりに漆喰は空気中のCO2を吸収します。そして、ゆっくりと硬化していきます。硬化すれば水をはじく力が備わってきます。
また火にも強く昔から土蔵や塀の外壁に使用されてきました。
 自然素材の家づくりを目指すのなら、外壁に漆喰、内装に珪藻土。どちらも100%自然素材だけで構成されていれば理想的ですね。

自然素材のエピローグ
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自然素材のエピローグ

2017年7月