~社会的手抜き~

今月もウィキペディアより転載します。「“リンゲルマンによる実験”20世紀初頭のフランスの農学者リンゲルマンは綱引き、荷車引き、石臼回しなどの集団作業時の一人当りのパフォーマンスを数値化した。実験の結果、1人の時の力の量を100%とした場合、2人の場合93%、3人の場合85%、4人では77%、5人では70%、6人では63%、8人では49%と1人当たりの力の量は低下した。リンゲルマンは集団が大きくなるほど集団全体のアウトプットと個人のアウトプットの合計の差は拡大するという現象を明らかにした」

「“ラタネとハーディの実験”目隠しとヘッドホンを着け、互いの行動が分からない状態にした2人1組のチアリーダーをつい立を挟んで座らせ、単独(1人)での条件と、ペア(2人)での条件で大声を出してもらい、騒音計で音量を計測する実験をしたところ、ペア条件での音量は単独条件の94%の音量しか出ず手抜きをしていた。しかし、実験後の被験者たちはどちらの条件でも全力を尽くしたと思っていたという」

この二つの実験は“社会的手抜き”と命名された実験とされ、さらに社会的手抜きが発生する要因として以下が記されています。

1、集団の中で自分だけが評価される可能性が低い環境。

2、優秀な集団の中にあって、自分の努力の量にかかわらず報酬が変わらないなど、努力が不要な環境。

3、あまり努力をしない集団の中では、自分だけ努力するのは馬鹿らしいという心理から、

  集団の努力水準に同調する現象が起こる。

社会的手抜きとは非常に手厳しい表現ですが、以上のようなことは私は勿論、皆さんも思

い当たることと思います。しかし、私たちはまたこれと正反対のことも知っています。つ

まり1+1=2ではなく3になるという事実です。成果を表す式として、成果=考え方×熱

意×知識×行動量、というのがあります。この式が正しいとすれば、まず知識は1人の知

識量よりも2人合わせた知識量のほうが絶対に多い筈です。また考え方や熱意や行動量は

一人一人違っていて当たり前ですが、二人がお互いを素直な気持ちでよく認め合えば、二

人が良い方向に向かって良い結果を出すこともよくあることです。

 結局、集団は社会的手抜き集団となって衰退し破滅していくか、1+1=3集団となって、

成長発展していくかのどちらかではないかと思います。また組織が衰退滅亡するのは外的

要因ではなく内部環境の悪化によるものだ、ともよく言われますが、組織を構成する一人

一人が社会的手抜きに陥り、自分達のパフォーマンスを半分以下としてしまえば、それも

当然の結果と言えるでしょう。私は人が二人集まれば集団、組織と考えます。従って家族

もまた組織です。決して社会的手抜きに陥らないよう精進する必要があります。私たちは

生きていられることにいつも感謝し、もうすでに幸福であるということを知らねばなりま

せん。精進し頑張って幸福になるのではなく、すでに幸福だから精進し頑張るのです。

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