一軒家

梅雨も終盤を迎え、本格的な夏を迎えようとしています。

こんにちは、家づくりサポーターの渡辺です。

私は現在テラスハウスに住んでいます。これを1軒屋と呼べるかどうかは疑問ですが、曲がりなりにも土地付き住宅です。

親に反対され家出同然に結婚して、最初に住んだのは、トイレ、玄関共用、風呂なしというぼろぼろの木造のアパートでした。地震で倒壊してそのアパートは今はありません。古い話ですが、そのころは「神田川」というフォークソングがはやり、若者がそんな生活にあこがれていた時代でもあります。

それから民間の賃貸マンション、公団住宅と移り、少しずつですが、私たち夫婦の住まいの状況は向上していきました。

その後、私は宅建免許をとり、不動産の営業をしていました。そんな関係から中古マンションを購入しました。それでも引越の前夜は初めて自分の家が持てるという喜びで、わくわくして眠れないくらい興奮していたのを覚えています。

そのマンションに10年ぐらい住んで、猫を飼うようになり、1軒屋が欲しいと思うようになりました。しかし1軒屋は予算が届かず迷っているとき、手頃な価格のテラスハウスが売りに出ていたので内覧に行きました。ちょうどこのような梅雨時、雨の日でした。その家の横が緑地になっていて、あじさいが美しく咲きそろい、くちなしの花のいい香りがしていました。ただそれだけの理由でその家を気に入り、すぐに購入することに決めました。今から考えるとびっくりするくらい単純な理由でした。

いよいよ引越という日の前夜、やっと自分たちも土地付きの家が持てると思いで、やはり私はわくわくして眠れませんでした。

それから引越しして少し落ち着いたころ、初めてホームセンターに行き、パンジーとエリカの苗木を買ってきて小さな自分たちの庭に植えました。自分の土地の土に触り、そこに何かを植えるということに、震えるような不思議な感動を覚えたものです。大げさかもしれませんが、1軒屋を持つということはそれぐらい人を幸せな気持ちにしてくれものだと思います。

私は今、家づくりに携わる仕事をしていて、ついついそんなことにも慣れてしまっていますが、そのころの感動を忘れずに、お客様にも伝えていくことができればと思います。