番外:社長のこだわり 弊社の自慢3つ
1.
基礎コンクリート一体打とは通常、底盤部と立上り部の2回に分けてコンクリートを打設するのを、1回で打設することです。このメリットは底盤と立上りの打ち継ぎ部が無くなりますから、シロアリの入り込む余地が無くなることがまずひとつです。それから、あとひとつは当然のことですがコンクリートの強度が増すことです。
多くの住宅会社は2度打ちがほとんどです。一体打ちを実施するためには、コンクリートに関する知識はもちろん、経験豊富な熟練の職人による施工が不可欠になります。
2.
シックハウスを引き起こすものはホルムアルデヒドだけとは限りません。
F☆☆☆☆(4スター)だから安心です。自然素材だから大丈夫です。多くの住宅会社は言います。本当にそうでしょうか。弊社ではホルムアルデヒドのほかトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼンの採取をしてその結果をお客様にご報告しています。調査方法は国土交通省認定のパッシブサンプラー法です。この検査採取は研修を受け一定の資格がないとできません。私は資格者です。第3者機関による調査分析結果を厚生労働省基準と照らし合わせて結果報告します。
3.
家の気密を示す数値をC値といいます。C値が低いということは、言い換えれば隙間が多いということです。隙間が多いと当然の結果として暖房・冷房効果が落ちます。また24時間換気も気密があればこそ成り立つのもので、隙間だらけの家では計画換気(決まったところから新鮮な空気が入り、決まったところから汚染された空気が排出されること)は出来ません。計画換気が出来なければ室内の空気はよどんだり、汚染物質などが室内に入り込むことが考えられます。弊社の”四季の家”SC,SHS(外断熱工法)ではC値は0.5前後です。(最高で0.3の実績あり)
四季の家にかかわらず”集いの家”も”もりの木の家”も全棟、気密測定しています。
セレクトホームは平成7年7月に不動産仲介業からスタートしました。私はそれまでに建設会社に5年、不動産会社に6年勤務していましたので、今年で足掛け26年間、住宅業界に携わっていることになります。今、サラリーマン時代を振り返って、その当時造っていた家を思い起こせば、はっきり言ってひどいの一語に尽きるのではと思います。もちろん平成21年の今だから言えることであって、その当時としては普通であったと思います。
不動産仲介営業マンとして建売屋さんの物件を案内、内見していた時、夏などは目が痛くて開けられないことがよくありました。昭和60年~平成8年くらいまでは結構そういう家がありました。当時、新築の建売とはそのようなものだと認識していましたから、恐ろしい話です。今、そのような家をつくれば、それこそ犯罪にもなりかねないほどに時代は進歩しました。現在、建材のほとんどが最高等級の4スター(ホルムアルデヒド等の放散が少なく、使用面積制限がない、JIS規格)で、1ランク下の3スターの製品など見つけることが困難なくらいです。そして、自然素材を多く用いた家が今、消費者の人気となっています。
構造も同じく幼稚なレベルでした。それが阪神大震災や姉歯事件をきっかけに、一気に耐震性能が上がりました。住宅会社も競って耐震、免震、制震を売りにしています。今後もこの流れは続くことでしょう。良いことだと思います。
段差もなくなりバリアフリーになり、サッシもほとんどの家でペアガラスが採用され、耐震強度を上げるため外壁下地に構造用合板等が張られました。結果、意識的に気密施工しなくても気密性能が高まり省エネになりました。何もかもが良くなったように見えます。が、しかし唯一、結露の問題だけはおざなりにされているように思います。
隙間がなくなり、ペアガラスに、構造用合板では、屋内に発生した水蒸気はどこに行くのでしょうか。その昔は土壁の家が結構ありました。年数が経てば当然、壁が縮んで隙間だらけになります。サッシはいえば木枠に一枚ガラスです。これもまた隙間だらけです。冬は寒くてどうしようもありません。しかし、水蒸気だけはその隙間からどんどん外に出て行くことが出来ました。ガラスに付いていた結露水がペアガラスになったため、結露しなくなったと喜んでいてはいけません。その水蒸気はどこに行ったのでしょうか。みんな壁の中、床下、天井裏に行ったのです。そして逃げ場のない水蒸気はそこで結露するのです。
最も恐ろしいもの。それは見えないところの結露です。家を腐らせます。カビも発生します。最後には病気になるか、地震で家が潰れます。少しオーバーだと感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、人生で最大の買い物である家を、少しでも危険から遠ざけることは、家づくりに携わる者は当然ですが、お施主様自身も勉強する必要があると思います。そうでなければ、豪華なカタログ、いい家と錯覚させる様々な仕掛けと、巧みな営業トークの餌食になってしまうからです。
★ 内部結露による住宅の被害。柱や胴差しが腐ってボロボロになっている。 |
【 外断熱工法 】
弊社は平成13年からカネカが開発したソーラーサーキット工法(略称、SC工法)に取り組んでいます。
外断熱・二重通気工法とも呼ばれているこの工法は屋根・壁の軸組みと基礎コンクリートの外側を板状断熱材で隙間なく、すっぽりと包み込み、床下から小屋裏まで空気が壁の中を通っていくというものです。床下→壁の中→小屋裏→外部へと通気されることにより、危険な水蒸気を外に排出することが可能となります。また外壁と断熱材、屋根と断熱材の間にも空気が下から上に上っていく通気層をとります。これにより、断熱材の遮熱効果を高めることが出来ます。これ以外にも外断熱し二重通気させることの効果は絶大なものがあります。下記に簡単にまとめておきます。
① 通気により排熱できる。
(単なる高断熱では夏場、熱ごもりし冷房で冷やさないと部屋が涼しくならない)
② 構造躯体が蓄熱体の役目をはたす。地熱利用が可能で、冬はわずかの熱源で家中くまなく 暖かい。
(例:40坪程度の家の場合、築熱暖房機1台でOK)
③ 構造躯体が蓄熱体の役目をはたす。地熱利用が可能で、夏はさわやか。暑い日もわずかな冷房で家中くまなく涼しい。
(例:40坪程度の家の場合、5KWのエアコン1台でOK)
④ 構造躯体が直接、厳しい外気に触れることがないので、劣化の速度は著しく遅い。
100年~200年、強度を保つ。
⑤ 構造体である材木が動いている空気に触れ続けることにより、木の持つ調湿機能が発揮されるとともに、木そのものが100年、200年と強度を保つ。
⑥ 高気密になるので、24時間換気が確実に実施できる。
(隙間があると計画換気は出来ない)
以上、外断熱し二重通気させることの効果は他工法ではなかなか実現し得ないものがあると断言できます。
外断熱工法と一口にいっても、住宅業界には多くの外断熱工法があります。以下に代表的なものを3つあげます。
【 外断熱の種類 】
①屋根・壁の軸組み(柱、外周部の土台・梁、小屋組み)とコンクリート基礎の外側を板状断熱材で 隙間なくすっぽりと包み込む外断熱。
私達は完全外断熱といいます。 ②屋根・壁の軸組みを外断熱し、基礎は断熱なし、あるいは基礎の内側をまたは床下で断熱する工法。
私達は単純外断熱と呼びます。
③壁の軸組みだけ外断熱し、屋根は天井断熱、基礎は床下断熱する工法。
私達は低気密・単純外断熱と呼びます。
私がいう外断熱はもちろん①の完全外断熱です。完全外断熱でなければ上記の①~⑤をより高い精度で具現化することは難しいと考えられます。(⑥は高気密工法であれば可能です)この完全外断熱工法がすぐれていることは多くの住宅関係者が認めるところではありますが(一部に高気密・高断熱住宅を気密窒息住宅と呼び攻撃しているグループもあります)いかんせんコストが高いとう弱点がありました。精度の高い気密・断熱ラインと確実な通気経路を確保するためには断熱・気密に精通した熟練の職人さんと、設計者、現場監督が必要です。手前味噌ですが弊社にはそれがすべて揃っています。当然のことですが、他工法よりコストアップになります。しかし、普通一般的には坪単価70万円前後と言われる価格を、弊社はSC工法で47、1万円、SHS工法(平成17年から取り組んでいるダウ化工の開発した完全外断熱工法)で42,3万円へのコストダウンに成功しました。
【 内気循環システム 】
SC工法及び、SHS工法と取り組んでいく中で、あるお施主様からの提案をヒントに”内気循環システム”というものに取り組んでいます。図が示すように小屋裏の空気をファンを使って床下に送り込むという簡単なシステムです。なぜこのようなことをするのかという理由を下記に述べます。
① 真夏、何らかの理由で1階の部屋が温度、30℃、相対湿度80%になったと仮定したします。その部屋の空気に含まれている水蒸気の一部は床材を透って(特に畳、天然木はよく通ります)床下に侵入します。その時、床下の温度が24℃だとしたらなんと、計算上湿度は114%になります。実際には湿度は100%以上にはなりませんから、湿度が100%を越えた部分は確実に結露します。(皆さんも一度床下に潜って、特に和室の下に入ってみてください。かなりの確率で畳下地の板や根太にカビが発生しているか、腐りかけているかの可能性があります)
② 真夏、小屋裏温度はいくら外断熱でも外気温度35℃のカンカン照りの時には32℃~34℃位にはなります。それに対して床下は24℃~26℃。小屋裏の暑い空気を床下に送り込めば、床下温度は2℃~3℃上昇します。これは床下の結露発生のリスクを避けることになります。温度が上がれば空気に含まれる水蒸気量は増えるからです。
③ 家が気密ですから、床下に送り込んだ空気は壁の隙間を通って、上へ上へと昇っていき、最後は小屋裏まで到達します。その時、床下の冷気(24℃~26℃の空気)と混ざって壁の中を通過しますので、壁の冷却効果も若干ですがあります。
小屋裏温度を30℃以下にすることも、不可能ではありません。
④ それだけではありません。構造体である材木は動いている空気に触れることによって100年はおろか200年でも300年でも生き続けることが出来ます。
また、材木の持っている調湿機能も最大限発揮できることになります。
⑤ 空気を動かすのは小屋裏ファンという機械ですが、そんなに高額なものではありません。エアコン程度の金額で、ランニングコストも24時間付けっぱなしで月額500円~1000円程度です。これくらいの金銭負担で上記のような効果が得られるのです。
⑥ これだけでも十分ですが、さらに住み心地を良くするために小屋裏にエアコンを設置すれば最高です。うまくいけばエアコン1台で真夏、家中が涼しく快適に生活できます。そして床下も快適、壁の中の、天井裏も小屋裏も全て快適な状態になります。良い住み心地を得るためには、こういうところが大事なのです。