雨と欠陥住宅

梅雨の終盤なのでしょうか、西日本は集中豪雨で被害が出ています。毎年このような災害が報道されます。不幸にしてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方たちには、心よりのお見舞いを申し上げる次第です。
 皆さんは去年6月のこの講で、私が自身の水に対するこだわりを述べたことをご記憶でしょうか。この時期になりますと、やはり同じ思いが込み上げて来ます。もはや病気の領域に入っているのかもしれません。この時期、誠に不謹慎、不見識極まりないと存じますが、
とにかく水がいっぱいになっていることに異常なまでの関心があります。休日の水曜日には、用もないのにわざわざ、伊川まで川の水かさを見に行きました。思っていたほどの水かさがないことに、がっかりしている自分に嫌悪感を持つのですが、どうしてもこの感情を止められないのです。さすがに妻に対して、うどんの食べ方は言わなくなりました。(詳しくは2008.6月号を参照下さい)これは確実に一つの成長かもしれません。それでも、妻とうどんを食べに行きますとやはり気になります。水が満々と張られている田植え前の田んぼはとても爽快です。それに引き換え、よくニュースに出る高知の早明浦ダムの貯水率は、この大雨にもかかわらず、貯水率40%とネットで調べました。がっかりです。
 尊敬する飯田先生は「すべてのことには価値があり、そして意味がある」と言われます。私のこの変な感覚にはどのような意味があり、価値があるのでしょうか。どなたか、教えてください。

私はこの講で商売である住宅のことは、ほとんど書いていません。それは家のことを書けば必ず、当社の売り込みになってしまうからです。しかし、どうしても皆さんに知っておいて欲しいことが出来たので書くことにしました。
 先日、当社にリフォーム依頼の電話がありました。営業担当の者と一緒にその一戸建てにお伺いしました。家の前で随分と新しいお家だなと、思いましたが入ってご主人に聞いてみてビックリ、今年の2月に新築されたお家でした。
ご主人は壁や天井の不陸(平らでなく凸凹していること)をおっしゃられていました。たしかにそれは相当ひどいものでした。それも、一度全面的にやり直した後を見てのことです。しかし、私が問題だと思ったのは、少し専門的になりますが、柱の外にサーモプライという4ミリの構造用面材を張って、その内側に発砲ウレタンを吹付けていることでした。これをすれば、たしかに断熱気密性能は上がり、省エネになります。しかしサーモプライという面材は透湿抵抗が非常に高く、水蒸気をなかなか通しません。充填断熱(内断熱)をして、壁内の通気がもしなければ、壁体内結露を起こす可能性が非常に高くなります。壁体内結露が発生すれば、カビや腐朽菌が発生し、やがて材木を腐らせます。家づくりに携わるものは、そのリスクを軽視してはいけません。いちどネットで”壁体内結露”を検索してみてください。とても恐ろしいものです。これに似たような工法のお家を、時々見ることがあります。そのたびに胸が痛みます。内断熱であっても、そのリスクを回避する方法は、いくらでもあります。しかし、コストダウンの美名のもと、このような不誠実な工法を採用している会社が、まだまだたくさんあるということを是非、記憶しておいてください。