2世帯住宅で失敗しない間取りの作り方

昔の日本の考えは長男が家を継いで親と同居し、その他の兄弟は家を出たり、女性の場合は嫁ぐことが一般的とされています。ブログの筆者も母が父の家に嫁ぎ、最初は親世帯と同居していました。30年以上前の話しです。

第2次世界大戦後の高度経済成長期の過程で、3世代家族等の大家族が減少し、結婚をすると同居せずに、夫婦と子供だけで住む核家族が進展してきたと言われています。

しかし、女性の社会進出、共働き、介護、又、地価の高騰などから2世帯住宅が見直されています。

そこで2世帯住宅について、大きく3つの間取りに分けて考えていきたいと思います。

2世帯住宅で後悔しない間取りの作り方のブログの写真

2世帯住宅のメリットデメリット

2世帯住宅とは親世帯と子世帯が1つ屋根の下で暮らすことを呼びます。そこで重要なことが夫または妻の両親と生活を送るということです。夫婦間でも違った環境で育ってきたことで価値観や生活習慣が大きく違うことがありますが、2人だとお互い適度に生活の仕方を見直すこともできるでしょう。しかし、そこに違う家族が増えるのです。2世帯住宅にするときは慎重に検討してみましょう。

2世帯住宅で後悔しない間取りの作り方の家族の画像

2世帯住宅のメリット

先ほど2世帯住宅で暮らす難しさをお伝えしましたが、それだけではありません。メリットをまとめました。

  • 親世帯が高齢の場合、何かあればすぐに対応できる
  • 二世帯住宅の新築時に親世代から資金援助を受ける時一定額まで贈与税が非課税になる
  • 小さな子どもがいる場合、子育てしやすい環境づくりや協力が得られる
  • 2軒建てるよりもコストダウンが望める
  • 場合によっては、水道光熱費を抑えられる

2世帯住宅のデメリット

メリットを上でご紹介しましたがいかがでしょうか?メリットがあれば、もちろんデメリットもあるということです。こちらも下にまとめました。

  • プライバシーが確保しにくい
  • 生活習慣によるストレス
  • 間取りによっては生活音が気になる
  • 訪問客の気遣い
  • 広い土地が必要
  • 1世帯に比べると建築費用が上がる

2世帯住宅の種類

2世帯住宅には3つの種類に分けることができます。「完全分離型」「完全融合型」「一部共有型」があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。これから一緒に住むパートナーの両親との関係性や将来の使用方法によってもどれを選ぶか重要になってきます。

神戸の完全分離型2世帯住宅の画像

まず、2世帯住宅の中でも人気があるのがこの「完全分離型」です。なぜかというと、玄関ドアからリビング、キッチン、お風呂、トイレなどの設備や間取りがすべて2つずつあるのがこの完全分離型2世帯住宅です。間取りによって部屋数や広さは変わりますが、親世帯と子世帯がプライバシーを確保して生活できるのがこのタイプと言えます。完全分離型の間取りの作る方としては、「縦割り」と「横割り」があります。

縦割りとは、家を正面から見た時に建てに割って、メゾネットタイプにすることを言います。そうすることで、2世帯とも1階2階を使うことができ、2階からの生活音で別世帯ともめることもありません。

もう一つの横割りは、先ほどと違い1階2階で分けてしまうことです。高齢になって階段の上り下りがつらくなる親世帯が1階、子世帯を2階とすることが一般的とされています。これだとワンフロアで生活できるので洗濯動線なども楽にできます。

また、この「完全分離型」のメリットは将来使わなくなったところを貸し出すことで、賃貸収益を得られます。

完全分離型の2世帯住宅のメリット

  • 各世帯のプライバシーを確保できる
  • 縦割りだと生活音も気になりにくい
  • 訪問客の来訪も気軽にできる
  • 将来は賃貸として収益を得られる
  • 光熱費などを分けて管理できる

完全分離型の2世帯住宅のデメリット

  • 家族の緊急に気づきにくい
  • 横割りの場合、2階の生活音が気になる
  • 広い土地が必要
  • 広いと建築費用も上がる
  • 光熱費を分けるとその分予算がかかる

完全共有型

神戸の完全共有型2世帯住宅の画像

「完全共有型」は先ほどの完全分離型とは正反対の間取りです。玄関ドアからリビング、水廻りなどすべて設備も1つずつで共有するスタイルで、間取りは一般的な家と同様で住まう家族が2世帯ということになります。昔からの同居スタイルに近く、スペースやコストも抑えられ、よりお互いの距離感も近くなります。食事や洗濯は一緒にします。

女性側の両親と2世帯を考えた時に多いスタイルで、女性の社会進出に伴い、家事や子育てを助け合ったり、両親の高齢化に伴い、介護のしやすさから、今またこのタイプが見直されてきています。

注文住宅で建てる場合、共有部分がほとんであっても「サブリビング」や「ミニキッチン」を設置することもあります。仕事などで家を出る時間帯が異なる世帯なら、テレビを小さな音で見たり、キッチンの物音など気にせずに使えるので必要に応じて、設備を2つにするケースもあります。

2世帯住宅で後悔しない間取り作りのための家事分担

完全共有型の2世帯住宅のメリット

  • スペースやコストが抑えられる
  • コミュニケーションがとりやすい
  • 子育て、介護を協力的にできる

完全共有型の2世帯住宅のデメリット

  • プライバシーの確保が難しい
  • 気が緩まない
  • 子育て、介護を断りづらくなる

神戸の一部共有型2世帯住宅の画像

「一部共有型」は玄関ドアのみ共有など生活の一部だけを2世帯が使うタイプの間取りです。共有する場所によっては、費用やスペースを抑えられ必要なところでそれぞれの家庭の空間を作ることができます。完全融合型で話したような「サブリビング」や「ミニキッチン」は別世帯で使う設備や間取りが一部ありますが、この一部共有型は共有する部分が少ないと考えていただければわかりやすいと思います。

一部共有型の2世帯住宅のメリット

  • スペースやコストが抑えられる(完全分離型と比べて)
  • プライバシーの確保ができる
  • 訪問客を気軽に招き入れられる
  • 光熱費を分けて管理できる

一部共有型の2世帯住宅のデメリット

  • 共有部分によっては家族間で不満が出やすい
  • 家族の緊急に気づきにくい

2世帯住宅の間取りの考え方

これまでお話してきたことで、2世帯住宅づくりでは家族で話し合いを行い間取り作りに反映させることをおすすめします。考え方の順番は下記を参考にしてみましょう。

  1. 家族構成を基に考える
  2. 部屋数を決める
  3. 共有できるところを考える
  4. 帰宅動線をイメージする
  5. それぞれのこだわりを書き出す(家族の希望を聞く)

間取りを考える時は素人でも手書きで配置を書いたりできますが、土地や建物の大きさ、斜線制限、駐車場や窓のサイズなど分からない所があると思います。そこで、設計士に頼む際には上記で考えたことを伝えることが重要です。

何より家族一人ひとりの意見を聞くことが大切です。後から後悔することになるなら最初に意見を言うとお互いの考えや希望が理解しあえます。例えば、どちらかの世帯で“すべて共有でいいんじゃない?”という意見があっても、別の世帯では“プライベートの空間を大切にしたい”“できれば個人の部屋がほしい”という声も出てくることが多くあります。これは家族とはいえ、元は他人だった人同士が一緒に生活するうえで最初の壁ともなります。ここで意見を言えないようでは後から必ず後悔するでしょう。また、意見を聞いてあげる体制も必要です。同じ屋根の下で暮らす家族だからこそ、それぞれの意見を尊重しあえると、心も健康で永く仲良く暮らせるようになるのではないでしょうか。

誰がどういったことで部屋が必要なのか、我慢して暮らすことのないように注文住宅で過ごしやすい家づくりを目指しましょう。

2世帯住宅の費用

2世帯住宅で後悔しない間取り作りのための予算の写真

これまで2世帯住宅の種類や選び方などをお話してきましたが、やはり気になるのは費用だと思います。3タイプの費用相場を30~40坪程度の場合をご紹介します。

  1. 完全分離型 費用:約2500~3000万円
  2. 完全共有型 費用:約2000~2500万円
  3. 一部共有  費用:約2300~2700万円(共有部分によって変動あり)

*建物本体のみとします

今回はよくある30~40坪程度の場合の費用を取り上げましたが、土地の大きさや建ぺい率、容積率、斜線制限などがあると費用も異なってきます。比べてみると完全分離型の全ての設備が2つずつあることもあり一番高額になっています。玄関1つとっても約40万円からの費用が掛かるので、どこを共有するのか分けるのか予算も入れた家族会議も必要ですね。

2世帯住宅で家を建てると固定資産税や不動産取得税で軽減措置を受けられる場合もあります。

まとめ

これまで「2世帯住宅で後悔しないための間取りの作り方」をお話してきましたがいかがでしたでしょうか?2世帯住宅を検討する方が増えてきたこともあり、今回のブログを書かせていただきましたが、悩むポイントが多いと感じた方もいらっしゃると思います。実際、暮らしてみると「もうっとこうしていればよかった」という声も少なくはありません。このような後悔をしないように家づくりの間から家族で話し合い、心も身体も健康で快適に過ごせる家づくりができることを心よりお祈りいたします。セレクトホームでも注文住宅で2世帯住宅を建築させていただいた実績があるので、ぜひお気軽にご相談ください。 最後までご覧いただきありがとうございました。

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