~ごみ~

皆さんも時々目にすることがあるのではないでしょうか。車を運転していて、前方の車の窓から火のついたタバコやごみが投げ捨てられているのを。もっとひどいのになると、信号待ちの時、ドアを開けて灰皿の中身をおもいっきり道路にぶちまけている人も何度か見たことがあります。心の中では、その人に注意しなければと思いつつも、情けないことに実際は怖くて出来ません。せめてスマホで写真を撮って、あとで警察にチクッてやらなくてはと思って、スマホを出すのですが、そういう時に限って操作がうまくいかず、結局その車は行ってしまうのです。明らかな犯罪だと思うのですが、そのような行為をしてよく恥ずかしくないものだと呆れてしまします。

 自宅でこんな話を妻と話していたら妻が「その点、大谷君はえらいわね」私「大谷君って誰?」妻「野球の大谷君よ」日本ハムからアメリカ大リーグのエンゼルスに行った大谷選手のことでした。妻はテレビで見て聴いたそうです。大谷選手が「ゴミを拾うことで、人が捨てた“運”を拾っている」と言って実践しているそうです。早速ネット検索しました。以下はネットからです。「4月11日のレンジャース戦、8回表、大谷は四球を選んだ。一塁に大谷を置いて、レンジャースの投手はクリス・マーティン。マーティンは鋭い牽制球を投げた。この時、大谷は一塁ベースに長い足をかけながら、手を伸ばしてファウルラインの内側に落ちていたゴミを拾ってファウルゾーンに投げました」素晴らしい話ですね。大谷選手は今年メジャーデビューです。試合でいい結果を出さなければ、アメリカのことですから厳しいバッシングを受けること間違いなしの状況でプレーに必死のはずです。そんな状況でも実際の試合中に、それも塁に出ている時、目にとまったゴミを拾うという行為、頭が下がりますね。かりに運を拾うという打算があったとしても、なかなかできることではありません。前述の車からゴミを捨てる人たちに知ってもらいたいですね。ごみを捨てれば運にも見放されるということを。

 4月4日、妻と二人、明石公園に花見に行きました。美しく咲き乱れた桜の花は池の水面に本当によく映えます。毎年のことですが大勢の人々がお花見を楽しんでいます。私たちはお決まりの剛ノ池の東のほとりでお弁当を広げます。この日は車ではなくバスに乗っていきます。もちろん飲むためです。私たちのまわりも大勢の人たちがシートを敷いて楽しく過ごしていました。今その時の記憶をたどっていますが、ただのひとかけらのごみも落ちてはいませんでした。明石公園に花見に来る人々は本当に善男善女ばかりです。青い空と薄ピンクの桜の花びら、その背景にある常緑樹の濃い緑、池の水面に流れるそよ風、この風光の中でお酒を飲める幸せに私は酔っていました。ごみを捨てない花見の人々に幸あれと祈ります。

 来月は私たち夫婦の結婚35周年です。ここ数年、記念日は知っていても何もしていません。今、断捨離に励んでいる妻には結婚以来、今まで本当に苦労を掛け続けました。そして今もかけています。その妻に報いるためにも5月29日は何か非日常を感じる一日にしたいと願っています。“ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる”イエローハット創業者の鍵山先生の言葉です。ひとつだけでも良いことをして、ひとつだけでもきれいになります。