水蒸気と結露 その2~

前項で水蒸気は水と同じで、水蒸気圧の高いところから低いところへ移動する、これは宇宙の法則で一般の住宅では止めるすべがないことを記しました。夏は外から内へ、冬は内から外へ移動します。夏、外から内へ移動することについては、室内の不快感というものの発生はあるものも、壁体内の結露の発生(夏型結露)は、よほどのことがない限り、さほど心配する必要はないと考えられます。問題は冬型結露です。これはかなりの確率で発生します。そして家を腐らせます。これは防がなくてはいけません。以下にその方法を記します。

1.
充填断熱(内断熱)の場合、柱の外に透湿抵抗の高い面材(構造用合板、OSBボード、サーモプライ等)を張らない。張るのであれば透湿抵抗の低いもの(ダイライト、ハイベストウッド、ケナボード等)を張る。

2.
充填断熱材(内断熱材)にグラスウールやロックウールではなく、羊毛断熱材等の大きな吸放湿機能のあるものを使用する。

3.
外断熱にする。

4.
外断熱し、さらに壁体内の通気層を確保する。

5.
外断熱し、壁体内通気層を確保し、さらに通気層内を強制換気する。

以上、代表的な対応策を列記しましたが、これらはすべて木造軸組工法を前提としています。

ツーバイフォー工法は構造用合板を耐力壁として使用することが前提となっているため、壁体内結露の発生リスクはかなり高く危険です。鉄骨構造は鉄自体の熱伝導率が木材のおよそ800倍もありますから、もし鉄骨が屋外のベランダ部と屋内構造部とで一体となっていれば、激しく結露する可能性がありとても危険です。鉄骨構造では、内外部の鉄骨自体を確実に外断熱するしか外に、結露発生リスクを押さえることは出来ません。

ツーバイフォー、鉄骨造ともにたくさんの長所を持っていますが、こと結露に関して言えば、両方とも失格と断定しても良いと考えます。(これは一般論で、特別な装置や、特別な断熱を施せば、それは話は別です。しかし、現在私の知るところそのような住宅はまだ市場に出ておりません)

皆さんは携帯電話やスマートフォンの中に、調湿能力の高いシートが組み込まれているのをご存知でしょうか。これらの中にも水蒸気は易々と侵入し、結露を発生させ、機械を壊してしまうのです。だから、調湿シートを挿入し、これを防ぐのです。水蒸気をなめてはいけません。かっては、その力によって機関車を走らせていたのです。ものすごい力があります。どんなところにも侵入します。そして、結露を引き起こします。どんなに素敵なお家を建てても、腐ってしまっては元も子もありません。日本は地震大国です。いつ大地震がやってくるかわかりません。いかに耐震や制震を施しても、肝心の躯体そのものが腐っていては、何の強度も発揮しません。結露を徹底的に意識し、そして排除していきましょう。

2012年9月
文責 脇長敬治